人材育成
燃料デブリ研究とSEEM学構築を基軸とした研究人材育成
本センターでは2024.9.4から5年度にわたり、英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業「燃料デブリ研究とSEEM学構築を基軸とした研究人材育成」が採択され、実施いたしております。
不確実な苛酷環境下でのより合理的な意思決定を可能とする『シビアエンジニアリングマネジメント学(SEEM学)』の構築に資することを主眼とし、併せて、福島第一原子力発電所廃炉における中心課題である燃料デブリの取り出し・長期保管および処理・処分の学術基盤を支える研究人材の育成を図るため、異分野の専門家が有機的連携の下で複数の研究ならびに人材育成タスクを推進いたします。
実施体制図は以下の通りです。
事業体制図

『シビアエンジニアリングマネジメント学(SEEM学)』については、文部科学省は以下のように定義しています。
1F廃炉では、不確実性の高い過酷環境に対処することが求められており、1F廃炉に関する研究を通じて過酷環境に対処できうる人材育成を図ることが喫緊の課題となっています。
このような状況では、既存知見では対応が困難な過酷環境において、不確実性を考慮しながら解決策を見出すための理論・手法・アプローチを対象に、既存学問で対応できる状況まで安定化させるためのエンジニアリング・マネジメント手法の構築が必要です。そこで、本プログラムでは、このことを研究する新たな学問を『シビアエンジニアリングマネジメント(Severe Environment Engineering and Management) 学(以下「SEEM学」という。)』
文部科学省HPから引用 https://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/mext_00345.html
講義「原子炉廃止措置工学概論」、 原子核システム安全工学特論」 「原子炉安全セミナー(原子炉廃止措置編)」の実施
本センターでは毎年9月に修士学生向け「原子炉廃止措置工学」、博士学生向け「原子核システム安全工学特論」、公開講座「軽水炉安全セミナー(原子炉廃止措置編)」を原子炉廃止措置に携わる学内外約20名の講師を迎えて開催いたしております。
2024年度では、原子核システム安全工学特論6人、原子炉廃止措置工学14人、公開講座22人の方に受講頂きました。
工学研究科・情報科学研究科博士学生・修士学生向けの教育プログラム原子炉廃止措置工学プログラム」の実施
本センターでは、工学研究科・情報科学研究科の博士学生・修士学生向けに教育プログラム「原子炉廃止措置工学プログラム」を実施しています。
所定の修了要件を満たすと、研究科長名での修了証が授与されます。
2023年度までに111名に修了証を授与しており、そのうち61%の学生が原子力関連*の企業等に就職いたしております。
大学院工学研究科・情報科学研究科『原子炉廃止措置工学プログラム』修了学生数ならびに進路

本センタースタッフによる教科書の執筆
本センターでは以下の教科書を執筆いたしております。
- 湿式プロセス 溶液・溶媒・廃水処理
- 2018.3.31
- 佐藤修彰・早稲田嘉夫 編
- 内田老鶴圃
- ウランの化学(Ⅰ)-基礎と応用-
- 2020.6.21
- 佐藤修彰・桐島 陽・渡邉雅之
- 東北大学出版会
- ウランの化学(Ⅱ)-方法と実践-
- 2021.3.31
- 佐藤修彰・桐島 陽・渡邉雅之・佐々木隆之・上原章寛・武田志乃
- 東北大学出版会
- 乾式プロセス 固体・高温化学・廃棄物処理
- 2021.8.25
- 佐藤修彰・柴田浩幸・柴田悦郎 編
- 内田老鶴圃
- トリウム、プルトニウムおよびMAの化学
- 2022.3.31
- 佐藤修彰・桐島 陽・渡邉雅之・佐々木隆之・上原章寛・武田志乃・北辻章浩
- 東北大学出版会
- マルチフィジックス計算による腐食現象の解析
- 2022.11.25
- 山本正弘
- 近代科学者Digital
- 燃料デブリ化学の現在地
- 2023.11.6
- 佐藤修彰・桐島 陽・佐々木隆之・高野公秀・熊谷友多・佐藤宗一・田中康介
- 東北大学出版会
- 廃止措置・廃炉化学入門
- 2024.9.20
- 佐藤修彰・亀尾 裕・佐藤宗一・熊谷友多・佐藤智徳・山本正弘・渡邉 豊・永井崇之・新堀雄一・渡邉雅之・青木孝行・逢坂正彦・小山真一
- 東北大学出版会
原子力関連の定義:一般社団法人 日本原子力産業協会が公表している会員企業等 https://www.jaif.or.jp/about/member/list/